古典力学の散乱(散乱1)

良いお年を(長い).

今回は散乱問題について.
散乱とはその通り, 標的に向けて光なり電子なり中性子なりを照射し, その反射もしくは回折の様子から標的の情報を得るものである(とおもう).
その割に実験で得られる回折パターンなどに言及している本があまりない気がしたので, それについての視覚的な内容を書きたいと思う.
最初から量子論だとぼくが辛いので, 古典論について.

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光と音の相互作用

「光と音の相互作用」と聞いても音楽に関係しそうな何かしか思い浮かばないのもそのはず, 普通光と音は相互作用しない.
光は真空を媒質とする電磁波である一方, 音は弾性体を媒質とする弾性波であるからだ.
しかし突き詰めれば, 弾性体というのも正電荷を持つ原子と負電荷を持つ電子の集合体であるわけで, 強い電磁波で揺さぶりをかけてやれば光で音(弾性波)を生じさせることも可能である.
この過程はBrillouin光散乱 (Wikipedia: ブリルアン散乱, 以下BLS) と呼ばれ, 物体の音速や弾性定数などを計測するのに用いられている.
今回はまずこのBLS過程を導出した後, 実際のBLSの例を見ることにする.

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固体を伝わる音

音は空気中でも水中でも, さらには固体の中でも伝搬する.
固体中での音の速さは, Wikipediaの音速のページ (Wikipedia: 音速) を見ると突然
K を体積弾性率, G を剛性率として, 縦波の場合 \begin{align} c_l = \sqrt{\frac{K+\frac{4}{3}G}{\rho}}, \tag{1} \end{align} 横波の場合 \begin{align} c_t = \sqrt{\frac{G}{\rho}}, \tag{2} \end{align} である」
と紹介される (Wikipedia: 体積弾性率, 剛性率).
今回の記事の目標はこの2式を証明することである.
「固体 音速 導出」などでググってもすぐには見つからなかったが, その理由は導出があまり簡単ではなかったからであった....

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