偏光状態の変化 その1

「光学(optics)」とは, 光にはどういう性質があるか?, また光と物質はどのような相互作用をするか?を取り扱う学問である.
光学には電磁気学量子力学と密接な関連があるが, ぼく自身そんな難しいことはわからない.
まあこの記事の続きを書くことをモチベーションに追々勉強したいということで, 今回はFresnelの式 (Wikipedia:フレネルの式) について…
と思っていたのだが, かなり長くなってしまったので途中のSnellの法則まで.

追記 2017/6/28に大幅に修正した(参照).

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電子ビームを収束させる(アインツェルレンズ)

今回は, 静電レンズ(Wikipedia: 電子レンズ)のうち, 特に「アインツェルレンズ(Einzel lens, en.Wikipedia: Einzel lens)」 と呼ばれるものについて書きたいと思う.
このようなものを考える動機については, 電子ビームを曲げつつ収束させる を読んで頂きたい.
アインツェルレンズは, 荷電粒子を加速せず, 向きも変えずに収束させるレンズである.
今までの「境界値問題」と題した記事は, すべてこの記事のためにあったと言ってもよい…

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3次元の静電位 その1(境界値問題3)

今日は3次元空間における電位を求めたい.
1ヶ月ほど前に, コンデンサの端での電位について少し触れた().
しかしそのときは各位置での電位は詳しくは必要なかったし, それ以外の部分をテーマにしていたので, 電位の求め方はかなり適当だったと思う.
そこで今回はこの, 平行平板コンデンサの電位について詳しく議論したい.

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2次元の熱平衡(境界値問題2)

前回()は1次元の熱平衡について, 基礎方程式の導出から行った.
これは全て今回のための準備で, 今回は2次元の熱平衡, つまり金属板を加熱したときにどのような温度分布に行き着くかを求めたい.

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1次元の熱平衡(境界値問題1)

今回は題の通り, 1次元での熱平衡について.
つまり, 金属線を加熱したときに, 最終的にどのような温度分布になるのかを考えたい.
これはPoisson方程式(Wikipedia: ポアソン方程式)またはHelmholtz方程式(Wikipedia: ヘルムホルツ方程式)と呼ばれる式によって知ることができるのだが, 個人的に納得のいかないところがあり, 前回の更新から少し間が空いてしまった.
決してグラブっていたわけではない.

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電子ビームを曲げつつ収束させる

電子ビームなどの荷電粒子ビームには, 「自己発散(self-defocusing)」と呼ばれる問題がある(self-broadeningでも同じ意味だと思う).
これは, ビームを構成する粒子がCoulomb力によりお互いに反発しあうため, ビームが空間を進む間に広がってしまうという現象を指す.
この自己発散現象のために, 荷電粒子ビームを取り扱う際にはビームを収束させるレンズのようなものが必要になる.
前回()は平行平板コンデンサで電子ビームをどれだけ曲げられるかについて議論したが, 今回は平行平板コンデンサで電子ビームを収束させる.

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