3次元の静電位 その1(境界値問題3)

今日は3次元空間における電位を求めたい.
1ヶ月ほど前に, コンデンサの端での電位について少し触れた().
しかしそのときは各位置での電位は詳しくは必要なかったし, それ以外の部分をテーマにしていたので, 電位の求め方はかなり適当だったと思う.
そこで今回はこの, 平行平板コンデンサの電位について詳しく議論したい.

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1次元の熱平衡(境界値問題1)

今回は題の通り, 1次元での熱平衡について.
つまり, 金属線を加熱したときに, 最終的にどのような温度分布になるのかを考えたい.
これはPoisson方程式(Wikipedia: ポアソン方程式)またはHelmholtz方程式(Wikipedia: ヘルムホルツ方程式)と呼ばれる式によって知ることができるのだが, 個人的に納得のいかないところがあり, 前回の更新から少し間が空いてしまった.
決してグラブっていたわけではない.

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電子ビームを曲げつつ収束させる

電子ビームなどの荷電粒子ビームには, 「自己発散(self-defocusing)」と呼ばれる問題がある(self-broadeningでも同じ意味だと思う).
これは, ビームを構成する粒子がCoulomb力によりお互いに反発しあうため, ビームが空間を進む間に広がってしまうという現象を指す.
この自己発散現象のために, 荷電粒子ビームを取り扱う際にはビームを収束させるレンズのようなものが必要になる.
前回()は平行平板コンデンサで電子ビームをどれだけ曲げられるかについて議論したが, 今回は平行平板コンデンサで電子ビームを収束させる.

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電子ビームを曲げる

今回は青少年のハートをくすぐる「ビーム」について書こうと思う.
ただしビームといっても様々な種類がある(Wikipedia: ビーム).
今回取り扱おうと思っているのは電子のビームであるが, 例えば太陽光線やレーザー光線もビームの一種である.
電子ビームの最も身近な例はブラウン管(Wikipedia: ブラウン管)だと思うが, 最近ではブラウン管は身近でもなんでもないかもしれない....

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コインの回転(前回の続き)

前回()のあらすじ...
コインの端を綺麗にトスした場合のコインの裏表が予測できるようになった.
今回はこれの続きとして, コインを適当にトスした場合の動きを考えたいと思う.
実はコインは対称性がとても良いので, 今から書くような難しいことを考えなくても運動を記述できるのだが, (2) 式の応用の良い例だと思ったので使用した.

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